時代?
 
 
水石の世界では、たびたび養石(ようせき)と言う言葉を耳にします。
養石とは自採してきたばかりの水石を、雨ざらしにしてなおかつ水をかけては乾かし、
それを何十年何百年と繰り返すことにより黒く汚れた状態にすることを言います。
 
また、この黒く汚れたことを時代と呼びます。
時代について、色々トラブルになっていることをよく聞きます。
水石を養石しようとして、雨ざらしにしていると時代が取れて自採してきたばかりの様になった。
 
 
何十年何百年と養石してきた物がそう簡単に時代が取れるものなのでしょうか?
それは、おそらく養石した物ではなく時代付けした物に間違えないと思われます。
薬を使い腐食させたり、あるいは着色したりと色々方法はあるそうです。
ではなぜその様なことをしてまで時代を付けるのでしょう?
盆栽の鉢にも同じことが言えるのですが、時代が付くことにより
その物の品格や深みの様なものが生まれるからです。
 
ですが、時代が付くにはとてつもなく時間が掛かるためそのようなことをするのです。
同じ水石でも時代が付いているのとそうでないものでは雲泥の差があるわけです。
 
 
 
本当に古い養石の時代とはどのようなものなのでしょうか?

 

写真ではわかりにくいとは思いますが、
この水石のように石肌を素手で触ると
手の油が付くような時代が古い養石の時代なのです。

 

 

この水石を裏側から撮ったものです。
これを見て頂ければどれ程時代が付いているか判って頂けると思います。

もともとこの水石の色は茶褐色にもかかわらず
表側から見るともとの色を感じないほど時代が付いています。

これは養石をしている際に表ばかり向けていたため、裏に時代が付かなかったからです。

 

水石の水盤飾りには、よく水を水石に掛けます。

それをすることにより清々しく、しっとりとするので良いものです。

それと時代が付いてない水石が濡れて黒く見えるので

良く見えると言う意味もあるように思います。

 

かえって時代の古い水石は水を掛けないほうがいいように思います。

 

時が経つにつれ良くなるとは良いものですね。

私もそう有りたいものです。